上高地行き2日目

横尾

雨。

夜中の雨はずっと降り続き、朝まで強くなったり弱くなったりで止む気配はない。今日は出かけられないかも・・・と思っていたが、夜が明けて外を見ると、下の方から続々とカッパを着て登ってくる人が。驚きだ。こんな時に山に向かっていくとは。これが少数かとおもいきや、相当ご高齢の様子の方までが登ってくる。普段の山登りでは日帰りばかりなので、雨ならばそもそも最初から中止してしまうような生ぬるい山遊びばかりなのでなおさら驚く。手持ちのレインウェアが心配だが、とりあえず朝食をとって出かけることに。とりあえず、徳沢まで行って帰り道に着くつもりで出かける。

雨の中の山登り、というよりもまだここはアップダウンはほとんどないのでハイキングコース程度の道なので辛くはないのだが、とにかく雨が吹降りで楽しくない。

上高地の森
雨に濡れる上高地の森

また、普段の山登りでたのしめる山道ではなく、整備された砂利道なのも楽しくない。横を流れる梓川の眺めも増水して濁り、これが晴れだったらなぁと悔やむばかりである。しばらく我慢しながら歩みを進める。上からは降りてくる登山者が次々と。多分今朝降りてくる人なのだろう。とんでもないスーパーマンに見えるのだが、例によってご高齢の人も多い。普段の基準が全く狂わされる感じだ。

ずいぶん雨がレインウェアから染み込んでいる。ゴアテックスとはいえ、20年前ぐらいのだし、作業にずいぶん使ったからなぁ。レインパンツは新しいとは言え、これも作業用なのでずいぶん蒸れてきた。足を上げるのがしんどくなってくる。ようやく、徳沢のキャンプサイトに到着。一応今日の最終目的地だ。トイレで話しかけたお兄さんに、「おりてこられたんですか?」と尋ねられる。顔がずいぶん疲れていたのだろう。一応ここまでと話をしたら、ぜひ横尾まで行かれる方がいいっすよ!と力説される。その言葉を信じてもうひと頑張りする気になる。キャンプサイトで色とりどりに貼られたテントを見て羨ましく思いながら、腰を上げる。

徳沢から先は少しアップダウンもあり、道も悪い場所が出てきた。レインウェアも中がじっとりして直ぐにでも脱ぎたい気分。どんどん後ろから抜かれていく。競争ではないが、抜いたのは1組か2組だろうか。時々立ち止まって梓川の流れを見つめる。規模は違うが、大山の沢の感じに似ている気がする。1時間以上歩いただろうか、横尾に到着。

横尾
横尾大橋。今回はここまで。この先が本格的な登山

ここにもたくさんのテント、そして何十人という人々が体を休めている。おりてきた人、これから上がる人。驚かされた。高齢のかたも多いし、休憩所で一緒になった70前の女性二人組。これから上がるつもりのようで驚く。もう100名山は全て登って卒業とおっしゃる。びっくり。島根から来たと伝えたら驚かれたが、「鳥取県島根市」と言われてしまう。熱いカフェオレで体を温めて、流石にここで下山(下山という感じではないけど)決定。

元来た道をだらだらと明神館まで戻る。明神館で預けておいた荷物を受け取り、おでんとおにぎり、おやきを食べる。その後明神池を見に行き、梓川の右岸コースを下っていく。こちらは人が少なく、あまり「コンニチワ」を言わなくて済む。また、左岸コースよりも自然な感じが強くてこちらが好みだ。特に河童橋の手前の岳沢湿原の雰囲気がとてもよかった。ここでソロで登っておられた若い女性に写真を撮ってもらうが、かなり初心者に近いと話を聞き、これまた驚く。

河童橋手前に来てもまだ少し余裕があったのでそのまま川沿いを下って、田代橋までおりて引返す。バスセンターにくるとちょうど良い時間。濡れた雨具を片付けたり、靴を洗ったりしてバスを待つ。4時40分発のバスで新島々駅へ。大正池の付近で、猿の団体に出くわす。

新島々駅ではしばらく待って電車に乗る。松本駅からはタクシーでホテルへ。チェックイン後、片付けをしていたらすでに子供が迎えにくる時間となり、下に降りる。ホテルですすめてもらったしずかという店へ行ったら満席。仕方なく近くの居酒屋で。メニューが中途半端な感じで注文しにくい。8時を過ぎたので、もう一度最初のしずかへ。なかなか雰囲気も良かった。メニューも充実していた。

子供によると、松本の方は全く雨は降らなかったという。

以上で一旦お開き。